【124】柳沢厚生労働大臣の失言問題 2007.02.10
「女性は子どもを産む機械」と発言した柳沢厚生労働大臣の発言をめぐって、世間がかまびすしい。一部の反政府勢力や女性団体が騒ぐのは解るけれど、国会を空転させるほどの問題とは思えない。
柳沢発言は表現の妥当性を欠いていることは確かだけれど、『女性は子どもを宿し、生命を伝えていく人類のメカニズムの中で、神聖で貴重な役割を果たしている』と言いたかったのであろうことは、前後の文脈の中で容易に理解できる。そこまで好意的に理解しようとしなくてもよいけれども、「発言は不適当。申し訳ない」と繰り返して誤っているのだから、「担当大臣として、以後、気をつけてもらいたい」ぐらいの問題だろう。
それを政争の具とする民主党はいやしい。「誤ってすむという問題ではない」と繰り返し繰り返して謝罪させ、材料として使える間は喰らいつこうとする姿を見て、「ン、これに似たことが、どこかで行なわれていたな」と思った。そうだ、先の大戦での日本の過失をことさら大げさにして、「誤ってすむことじゃない」と今もって持ち出す、どこかの国のやり方と同じではないか。
過ち(先の大戦の日本の行為は過ちであると検証されているわけではない)はこれを糺し、正々堂々と国政を論じるのが、国会の役割であろう。いたずらに国民の感情に訴えようとする民主党の姿勢は、心ある国民の理解や支持を得られるものではない。むしろ、その手段の稚拙さに失笑するばかりである。
福島社民党党首が繰り返してこの問題を取り上げるのは理解できるが、先日の小宮山洋子民主党議員の国会質問は3番煎じ4番煎じの出し殻を飲まされているようで、明快な小宮山議員の口調がかえって惜しまれた。公明党の浜四津議員や松あきら議員が柳沢発言を批判していたのは、便乗感があって、納得できない思いであった。
このままでは、政治家は言葉を失う。「そんな、女みたいなヒステリックに反応しなくても…」と言ったら、またまた国会空転だぁ。
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